2010年4月1日木曜日

石川太郎日記

こんにちは、石川太郎です。皆さんお元気ですか。 
先日あるご縁で、カクテルコンテストの審査員の依頼がありました。
清酒や ビールならともかく、カクテルはあまり詳しくないので少々戸惑いましたが、 
良い機会だと思ってお引き受けしました。 
今日は、その時気付いたことを書きましょう。 
一流のバーテンダーが目の前でカクテルを作っている「無駄のない動き」をみて、
「あれ、これはどこかで見たことがある、何かに似ている。」とあるものを思い出しました。
それは、茶道のお手前です。 
ナプキンが袱紗(ふくさ)に、マドラーが柄杓や茶杓に、シェイカーを振る仕草は
茶筅で茶をたてる仕草のように見えました。 
そこで思ったことは、彼らもプロのバーテンダーである以上、
プロとしての技術や知識を磨くことはもちろん必要ですが、当然のことながらその前提に、 
お茶の世界と同様に、「もてなしの心」を持ち合わせてなければならないのです。
バーテンダーである以前に、サービスマンなのですから。  
審査が終わり、講評が求められました。
僕はカクテルの世界の者ではない」ので技術的なことはわかりませんが、
同じアルコールに携わる者として意識していなければならないことを述べました。
それは、「お酒は刃物と同じである」と言うことです。 
お酒は人の心を豊かにしたり、人間関係を円滑にしたりする素晴らしいし好品ですが、
半面、その使い方を誤ると大きな問題を起こすこともあります。 
健康を害することもあります。酒が原因で起きた事件も時々報道されます。 
お酒は刃物と同様で使い方次第で、良くも悪くもなるものです。  
しかし、これは法により義務づけられるものだけではなく、
我々はそれを 自覚し自主的に自らの人間性を高めることに勤めなければならないのです。 
バーテンダーの場合は、第一層にアルコールに携わる人間としての「人間性」が必要で、
その上の第二層としてサービスマンとしての「もてなしの心」がのるのです。
そして、そのしっかりした二層の基礎の上に
「プロとしての技術や知識」を乗せるから輝くのです。  
恐らく全ての業界にも、この第一層にあたる部分が必ずあると思います。 
それを抜きにして、技術や知識だけを身につけて、ただ、お金を儲けようとするから、
「道徳のない経済は暴力だ」などといわれることもあるのです。 
人間性・もてなしの心・技術や知識、ひとつずつ地道に積み上げて行くことの大切さを
感じたカクテルコンテストでした。

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